地域価値創成学研究所の地域コミュニティ連携部門では、山形の観光戦略づくりを目指し現在3つの研究プロジェクトを進めています。
温泉の価値創造研究プロジェクト
山形大学産業研究所の平成29年度研究助成事業として、「温泉質の再評価による小野川温泉の価値創成に関する研究」を進めています。小野川温泉の新たな価値を創成し、集客力の向上につなげることを目的とし、バイナリー発電による環境対策や「お湯の良さ」の科学的評価としての調査・分析を進め、リピータを増やす観光戦略づくりを行っています。
ビジネスイベントの地域波及効果について
集客が見込まれるビジネスイベントなどを総称してMICE(Meeting、Incentive Travel、Convention、Exhibition/Event)と呼びます。地域価値創成学研究所では、地方における中小規模MICEの可能性と地域への波及効果について調査研究を進めています。天童では地域の旅館が連携し形成しているDMC(Destination Management Company)がMICEを支援する機能を有することが期待されており、地域版MICEの新しいモデルのひとつとしてトレースを続けています。これに関連して、「MICE 開催が地域へ及ぼす波及効果に関する一考察 -地方都市の場合-」と題する学会発表を行いました(2016年度日本都市計画学会東北支部 南東北ブロック研究発表会、米沢市)。
地域資源を活かした価値創成イノベーション研究
地域資源を活かして新たな価値創成を行う地域の事例研究を行っています。例えば、オーストリアのWerfenwengでは観光と環境を掛け合わせて新たな価値を生み出し観光資源にしています。欧州の事例研究を通して地域イノベーションにつながる示唆を発見し、この山形地域の価値創成につなげることを目指しています。この研究分野で、次の2つの学会発表を行いました。
- 欧州における環境と観光の共生を試みる小規模自治体の取組に関する考察 オーストリア・Werfenweng の事例から (2017年度日本建築学会大会中国、広島)
- 欧州における観光地域づくりを目的とする組織の活動内容の変遷とその特徴に関する考察 (都市計画学会学術研究論文発表会、札幌)